オベリスク(Obelisc TM)液体分離セル技術(LiSC: Liquid Separation Cell Technology)の応用ミックス・クロマトグラフィ分離モード

オベリスクHPLCカラムは、シルク・テクノロジー(SIELC Technologies)社が開発した、最先端の画期的な商品です。既に複数の特許出願中であるオベリスク・カラムは、液体分離セル技術(LiSC: Liquid Separation Cell technology)を最初に商品化したカラムです。液体分離セル技術はシリカ樹脂の細孔内を、新しい化学修飾を用いて独自の電荷特性、イオン強度、疎水的特性を持つ液体分離セル構造にしました。外部環境と平衡化状態に保たれて生きている細胞のように、液体分離セル構造は、移動相との一定の平衡化状態を保ちます。

図1. Liquid Separation Cell Structure

液体分離セルの主な三つの特性が、従来のクロマトグラフィ樹脂と異なります。

1) 液体分離セル内部のイオン強度が、移動相のイオン強度よりも顕著に高いので、移動相のバファー濃度が低くても、分離セルを出入りする帯電した対象物の、迅速な物質移動を促します。

2) 液体分離セルの固定相は分離セル総ての容積を占めますので、他のクロマトグラフィの壁面だけの固定相よりも、高い固定相の容量が得られます。

3) 長い有機鎖で離れている分離セルのリガンドに付いている(+)と(−)の電荷が静電気的相互作用に、同時に関係してきます。

この液体分離セル技術を基に作られた、オベリスクR(Obelisc R)カラムオベリスクN(Obelisc N)カラムはマルチ分離メカニズムによって、極性化合物と非極性化合物の分離ができます。

オベリスクRカラムは逆相クロマトグラフィの特性を持ち、オベリスクNカラムは順相クロマトグラフィの特性を持ちます。そしてこの二種類のオベリスク・カラムは、従来の逆相カラム、AQタイプ逆相カラム、極性基含有の逆相カラム、順相カラム、陽イオン交換体カラム、陰イオン交換体カラム、イオン反発カラム、親水クロマトグラフィ (HILIC: Hydrophilic Interaction Liquid Chromatography) カラムに取って代わることができますので、メソッド・デベロップメント(分析法開発)が、この二種類のオベリスク・カラムと、質量分析装置やUV(>220nm)検出器で使用できる幾つかの移動相だけで、簡単にできます。

オベリスクRカラムとオベリスクNカラムは、ついている電荷の種類とその位置が違いますし、直鎖の疎水性も異なります。オベリスクRカラムは(+)電荷がシリカ表面に隣接し、(−)電荷が疎水性直鎖の突端に位置します。オベリスクRカラムは逆相クロマトグラフィ分離モードに、通常C18カラムでは保持されにくい極性物質が、保持できるように開発されたカラムです。オベリスクRカラムはその直鎖に(+)/(−)二つの電荷を持たせ、その固定相の空間に高いイオン強度を創り出しますので、どちらの電荷を持つ極性物質でも引き付けることができますし、疎水性を持つ直鎖にはC18に吸着するような疎水性物質も保持できます。またオベリスクNカラムは(−)電荷がシリカ表面に隣接し、(+)電荷が親水性直鎖の突端に位置します。

図2. Two Obelisc Columns with Liquid Separation Cell Properties




図3.は同じ移動相を使用して、混合サンプルをオベリスクRカラムとオベリスクNカラムで分析しました。移動相中のアセトニトリル含有量を変えて分析しますと、溶出してくるピークの順番が逆になります。疎水性のプロピルパラベンは、疎水的特性を持つオベリスクRカラムに長く保持されます。一方ドーパミンやDOPAの極性化合物は、順相モードのオベリスクNカラムに長く保持されます。

図3. Comparison of the separation of polar and hydrophobic drugs on Obelisc R and Obelisc N





オベリスクR

オベリスクRは逆相クロマトグラフィ特性を持ちますので、従来の逆相クロマトグラフィ・アプリケーションで使用できます。電荷グループが長い疎水鎖についていますので、オベリスクRカラムは従来の逆相クロマトグラフィでは不可能であった、他の保持力も得られます。オベリスクRカラムで使用される代表的な移動相は、アセトニトリル、水、質量分析装置でも使用できるギ酸アンモニウム(pH3)と酢酸アンモニウム(pH5)のバッファーなどになります。もし低いUV吸収(<220nm)で検出が必要な時には、リン酸バッファーをお勧めします。

図4.はアセトニトリル濃度とバッファーのpHを変えて、オベリスクRカラムの調整をしています。

図5.は極性医薬品の分離において、オベリスクRカラムとA社の AQタイプのカラムを比較しています。AQタイプのカラムは逆相クロマトグラフィ分離モードで、極性化合物が低濃度有機溶媒の移動相でできます。七種類の医薬品はオベリスクRカラムに保持されて分離できましたが、AQカラムでは低濃度有機溶媒の移動相でも保持できずに、分離もできませんでした。

図4. Effect of mobile phase composition on retention of 3 compounds on Obelisc R column




図5. Comparison of the separation of polar drugs on Obelisc R and Competitor A's AQ-type




図6.は酸、塩基性物質、アミノ酸、中性物質の混合サンプルをオベリスクRカラムで分離しました。ここでは疎水性化合物のトルエン(ピーク6)は、より疎水性が高い2,6-ルチジン、ベンジルアミン、安息香酸より前に溶出します。

図6. Separation of amino acids, bases, acids, and neutrals on Obelisc R




図7.は高い極性の親水性除草剤であるパラクアット(Paraquat)とジクワット(Diquat)を、オベリスクRカラムの逆相クロマトグラフィ分離モードで、ギ酸アンモニウム・バッファーを含有する移動相を使用して、ベースラインまでの分離ができました。

図7. The separation paraquat and diquat




極性異性体を従来のC18で分離するのは、難しいことでした。オベリスクRカラムの極性相互作用の追加は、選択性に必要です。図8.はアミノピリジンの分離を、一般的なC18カラムとオベリスクRカラムで比較したものです。

図8. Comparison of Obelisc R to some common reversed-phase C18 columns for the separation of aminopyridine isomers





オベリスクN

オベリスクNは高い極性特性を持ちますので、極性物質や帯電物質に使用できます。イオン交換体モードでは帯電物質が固定相についている反対の電荷グループと相互作用を起こします。オベリスクNカラムは(+)/(−)二つの電荷を持っていますので、(+)/(−)のどちらでも帯電している対象物質と相互作用が行なわれます。従来の親水クロマトグラフィ(HILIC)モードでは、帯電極性物質でも中性極性物質でも、極性固定相上にある水の層と相互作用を起こします。オベリスクNカラムでは電荷が大きく分離し、個別に接近し易いので、従来のシリカ系親水クロマトグラフィとは異なる選択性を持ちます(図9.)。

図9. Comparison of Obelisc N, Competitor S’s HILIC, and bare silica




図10.では糖、アミノ酸、カルボン酸の分離における、pHと有機溶媒濃度の影響を示しています。

図10. Effect of both pH and organic content on a separation of sugars, amino acids, and carboxylic acids




図11.はオベリスクNカラムによる、親水クロマトグラフィ・モードでの糖分析例です。

図11. The separation of sugars in HILIC mode




使用される移動相の成分は、オベリスクNカラムの長い親水鎖の三次元構造を変化させます。このことは液体分離セルの特性に影響を与え、分離の選択性を変えます。図12.ではバッファー濃度の、アミノ酪酸異性体分離に対する影響を示しています。この難しい異性体分離をバッファー濃度を変えるだけで、ベースラインまでの分離できました。

図12. Separation of α-, β-, and γ-aminobutyric acids




図13.は極性除草剤グリホサート(glyphosate)の反応中間体の分離を示します。

図13. The separation of glyphosate reaction intermediates and impurities




図14.は核酸塩基の分離において、移動相のpH調整による選択性への影響を示しています。

図14. Separation of nucleic bases at pH4 and pH5




オベリスクNカラムで使用される代表的な移動相は、アセトニトリル、水、質量分析装置でも使用できるギ酸アンモニウム(pH3)と酢酸アンモニウム(pH5)のバッファーなどになります。もし低いUV吸収(<220nm)で検出が必要な時には、リン酸バッファーをお勧めします。

図15. The separation of potassium, perchlorate, methanesulfonic, chloride, bromide, and nitrate ions on Obelisc N with ELSD detection



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