PLRP-S 100Åポリマーゲルは、C18などのアルキル基を導入したシリカ担体の逆相分配クロマトグラフィ樹脂と比較しましても、非常に大きい樹脂表面積(500〜550 m2/g)を持ちますので、従来のアルキル基導入のシリカ樹脂よりも、保持力がよりいっそう強くなります。このことにより、各種有機酸やPEG(ポリエチレングリコール)など、従来の逆相シリカ樹脂に対する吸着の弱かった極性物質も、十分に保持します。
PLRP-Sカラムは、特にイオンサプレッション・クロマトグラフィ(Ion SuppressionChromatography)のアプリケーションに最適で、移動相溶媒のpHを調整することによって、有機酸などの電解物質のイオン化 (解離)を抑制し、カラムへの保持を高めることによって、分析における選択性の向上と、よりいっそうの分離が得られます。例えば芳香族カルボキシル酸はpH2.0で、また酸性物質の脂肪族カルボキシル酸は、対象物質のpKa値よりも低いpH2.6で分析しました。


私達の生活で重要な水道水や地表水の品質をモニターする、厳格でより簡単な手法が必要です。その研究プロジェクトの一つとして、ライン川流域各国の共同研究で行なわれている、「ライン川流域プログラム(Rhine Basin Program)」があります。そこでの最初のステップにおける新しい分析方法の採用は、アムステルダム自由大学(Free University of Amsterdam)の分析化学学部で研究されています。Brinkman教授とLingeman博士らが率いるチームは、UV検出器を用いた液体クロマトグラフィ(LC: Liquid Chromatography)のイソクラチック法で、微量水質汚染の迅速な検出手法を確立しました。これらの測定法では、オンライン前処理濃縮が必要です。そして二つの前処理カラムを用いますと、少量のサンプル前処理での迅速な分析を促します。一つの前処理カラムは、疎水的インターラクションによって、溶質をトラップします。もう一つの前処理カラムは、イオンペア試薬としてドデシル硫酸ナトリウムを添加した移動相で、塩基性汚染物質の保持ができました。PLRP-S ポリマー系逆相HPLCカラムの採用は、移動相の種類や使用pH範囲を選ばず、何でも使用することができ、また非常に汚いサンプルや、カラムに強く吸着してしまうサンプルの注入後も、簡単に洗浄することができます。

キサントシン(5)はpH8.5ではイオン化されないため、保持時間も短いですが、pH4.25ではイオン化するために、保持時間も長くなります。このような移動相溶媒のpHによる調整で、プリン塩基及びピリミジン塩基などの複雑な生物的混合物の選択性をコントロールしたりして、分離の最適化が行えます。

カテコールアミンは、体内で自然に分泌されるホルモンで、種々の機能をつかさどる神経伝達物質です。PLRP-S 100Åポリマーゲルは、通常逆相シリカ樹脂で見られる、樹脂の残存シラノール基とカテコールアミン間のインターラクションが無いので、ピークのテーリングも無く、短時間で高感度分析を行っています。

抗酸化剤や安定剤は、フリー・ラディカル分子の回収ができるので、プラスチックやポリマー製品の安定剤として使用されます。これらの添加剤は、有機溶媒で抽出後PLRP-S 100Åカラムで定量分析できます。

PLRP-S 100Åポリマーゲルは、疎水性で広い樹脂表面積を持つので、添加剤を加えた移動相溶媒を使用する、ダイナミック・イオン交換体クロマトグラフィとして使用できます。ここでは、四種類の一般的な無機イオン物質を、ペンチルアミンとぎ酸を添加した移動相溶媒で分析しました。これら移動相溶媒及び添加剤は揮発性ですので、PL-ELS 1000エバポレイティブ光散乱検出器を使用しますと、安定したベースラインが得られます。
